マイニングPCはゲームPCより安く作れるって本当?

マイニングPCとゲームPCは、どちらもPCを酷使する負荷の高い処理を行うという点で共通しています。ではゲームPCを買えばマイニングPCとして使えるのか、それとももう少し安く抑えられるのかをここではまとめています。

ゲームPCとはここが違う

まずマイニングPCを組む上でゲームPCと異なる点、その中でもコスト面で有利な要素は以下の点です。

・CPUパワーはあまり必要ない

・メモリー容量もゲームほど必要ない(マイニング用マザーのメモリースロットは2本が主流

・高解像度、あるいは遅延の少ないモニターは必要ない

・ケースは冷えれば極論骨組みだけで良い

逆に明らかにコストがかかりそうな点は以下です。

・マイニングの結果はGPU性能に大きく依存する

・グラフィックボードを複数枚使用が当たり前の世界(2枚では少ない)

GPUの動作の為に電源に大容量モデルが必要

・ゲームと異なり、24時間PCを限界稼動させる

現状、マイニングのソフトはGPUに最適化されており、CPU性能をハイエンドなPCゲームほど必要としません。その分、GPUにかかる負荷は大きく、10枚以上のGPUを並列動作させる例も有ります。

例えばこれは一般的なマイニングリグ(マイニングPC)の写真です。グラフィックボードが列を為していますね。勿論ボード単体の性能も非常に重要な為、GTX1080Tiなど一枚10万円もする高性能ボードで揃えていくと極端に高コストになります。2017年12月時点ではAMDのRX580などの一枚3万円クラスのカードがコストパフォーマンスに優れ人気を集めています。

マイニング用グラフィックボードランキング

逆にそれ以外の部分というのはあまり注目されません。CPUやメモリーへの依存度は相対的に低いです。マザーボードも割り切った仕様の為、定番商品が1万円ほどと安くなっています。基本的には演算が仕事なので、モニターやスピーカーと言った周辺機器にお金が掛からないのもマイニングPCの特徴です。何故かマイニング用マザーボードには高音質を謳うものが有りますが…。とにかくGPUをいかに豪華にするかという点がマイニングPCのコストを分ける分岐点になります。

無茶苦茶お金をかけなくちゃいけないの?

マイニングを事業として行っている法人は例えば土地を買ったり、PCを置く住居を確保したりということをしますが、それはマイナー(採掘者)の中でも大手です。実際に個人でマイナーを営んでいる方には、例えば通常のATX規格のPCケースにグラフィックボードは2本程度と常識の範囲内で運用している場合が多いようです。その場合なら、新規にパーツを購入するところから初めても20万円ほど、GPUのグレードを落としたり手持ちパーツを流用すればもっと安くマイニングPCを用意できるはずです。 なので個人が現実的に始めるスタート地点はゲーミングPCよりも少し安いのではと思っています。マイニングPCはPCを使うほどお金が入ってくるシステムですから、ゲームPCに比べるとコストのかかる拡張がしやすく、そういう意味でも負担のかかりづらい運用法です。