年始早々起こったCoincheck事件は仮想通貨を運用する上でどうやってリスク管理を行うべきか、改めて考えさせられる出来事でした。そこで同様のトラブルに巻き込まれないように、リスク分散の方法をまとめたいと思います。
Coincheck事件で明らかになった問題
Coincheck事件の最大の問題は特定通貨で盗難が有っただけで、取引所内の全資産の取引が停止されるということです。加えて自由な出金も出来ないため、一度ハッキング被害に取引所が巻き込まれてしまうと、全ての資金をロックされるに等しい事態になることがわかりました。
仮想通貨は裏切らない、取引所が裏切る
仮想通貨自体は特定の企業や団体が管理するのではなく、ユーザー間で運営されています。基幹技術であるブロックチェーンは全ての取引が繋がっており、改ざんが難しく、そのため仮想通貨そのものがハッカーにより使い物にならなくなるということは今のところ起きていません。そのため多くの投資家はブロックチェーン技術は裏切らないと考えていました。
しかしCoincheck事件後、資金を預ける取引所の管理体制に穴が有れば資産を失うというリスクが改めて認識されました。また管理体制そのものも外部からは確認しようがなく、取引所が裏切る、という事態を事前に予見することは非常に難しいのが現状です。
全通貨一斉に落ちる傾向
Coincheck事件後に仮想通貨市場は大きく調整入りすることとなりました。そこで印象的だったのはcoincheckに取扱いのない銘柄も含め、仮想通貨全体で価格が下落したということです。株式ですと大きな下落相場でも一部の銘柄は堅調な地合になるのですが、仮想通貨に関しては右向け右で全部一度に落ちる傾向が鮮明になりました。
この様な場合、資金を複数銘柄に分散してもリスクを抑えることになりません。資金を5個に分けても5個全部落ちたら同じですしね。むしろ取引所が停止し、全ての資金がロックされる方が遙かに大きなリスク要因と言えます。
複数の取引所に分散する時代
2018年は個人の投資家でも複数の取引所に口座を持ち、資金を分散する時代となったと言えるでしょう。この方法なら、仮に一つの取引所が取引を停止しても残りの取引所で資産を運用することが出来ます。資金も細かく分散されるため、リスクを低く抑えることが出来ます。
また、一つの取引所だけよりも多くの銘柄に投資することが出来るため、投資機会も増えます。
信頼できる取引所はどこ?
さて、最大の問題は信頼できる取引所はどこかという問題です。coincheck事件後、いち早くセキュリティ情報を公開・改善したのはbitFlyerとGMOコインでした。この二つはcoincheckで行っていなかったマルチシグやコールドウォレットといった盗難対策も既に行っており、セキュリティに関しては国内2強と言える状況です。
DMM Bitcoinもそれに次ぐ位置に有り、ひとまずこの3社に分割して資金を保管するのが安全でしょう。